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内定辞退を防ぐフォロー施策とは?|承諾後のコミュニケーション設計と実践ポイント

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はじめに

パソコンの前で考え込む若い女性

「内定承諾書をもらったのに、年明けに辞退の連絡が来た」
「内定式までは順調だったのに、入社直前で辞退されてしまった」
「内定者懇親会を開いているけれど、本当に効果があるのか分からない」

新卒採用では、こうした悩みを抱える企業もあるのではないでしょうか。

就職活動の早期化により、学生が内定(内々定)を得てから入社するまでの期間が長くなる場合があります。また、内定を承諾したあとも、進路を検討し続ける学生がいます。
そのため、辞退を防ごうと、内定者懇親会や研修、社員との座談会などを実施する企業も少なくありません。しかし、イベントを開催すること自体が目的になると、学生の不安や迷いに十分応えられないことがあります。

大切なのは、内定者が何を知りたいのか、どんな不安を抱えているのかを理解し、入社までに必要な情報や体験を適切なタイミングで届けることです。

この記事では、内定承諾後に辞退が起きる理由を整理し、学生が安心して入社を迎えるためのフォロー施策とコミュニケーション設計の進め方を紹介します。

1. 内定辞退は「承諾後」にも起きている

1-1. 内定(内々定)辞退率が5割以上の企業は約4割

マイナビ キャリアリサーチLabの調査によると、2026年卒採用で内定(内々定)辞退率が「5割以上」だった企業の割合は41.5%でした。2019年卒の21.1%から約2倍に増えており、企業にとって辞退への対応が大きな課題になっていることがうかがえます。(なお、この数値は内定承諾後に限らず、内定(内々定)を出したあとの辞退全体を対象としています。)

企業が計画どおりに採用を進めるためには、内定を出すまでの選考活動だけでなく、その後の関係づくりにも目を向ける必要があります。

1-2. 承諾後も就職活動を続ける学生がいる

レバレジーズが2025年卒業予定の大学生・大学院生252人を対象に実施した調査(2024年6月27日〜7月3日)では、1社目の内定承諾後の就活状況について、回答者191人のうち49.7%が「内定承諾後も就活を継続していた」と答えました。続けた理由として最も多かったのは、「より志望度の高い企業の選考が残っていたから」(68.4%)です。

学生の中には、次のような気持ちがあるかもしれません。

  • まずは内定を確保して安心したい
  • 志望度の高い企業の選考がまだ残っている
  • 承諾したものの、本当に自分に合う会社なのか考え続けている

つまり、内定承諾が必ずしも迷いの終わりになるとは限りません。
企業にとっては、承諾後も学生が安心して入社を迎えられる関係をつくることが重要になります。

2. なぜ内定承諾後に辞退が起きるのか

どの会社を選ぶか悩むスーツ姿の男性のイラスト

内定辞退への対策を考えるには、学生がどのような理由で進路を見直すのかを知る必要があります。

2-1. より志望度の高い企業から内定が出る

マイナビの調査で、企業が把握している2026年卒の内定(内々定)辞退理由として最も多かったのは「より志望度の高い企業から内定が出た」(49.8%)でした。次いで「希望職種」(17.7%)、「希望勤務地」(15.1%)などが挙げられています。

学生は複数の企業を比較しながら、自分に合った入社先を選んでいます。給与や勤務地、職種などの条件が判断に影響することもありますが、自社ならではの魅力や、入社後に得られる経験が十分に伝わっていなければ、他社との違いを感じてもらうことは難しくなります。

2-2. 入社後の自分をイメージできず、不安が残る

内定承諾から入社までには、数か月以上の期間が空くことがあります。その間に、学生が次のような不安を感じることも考えられます。

  • 配属先はどこになるのだろう
  • 仕事についていけるだろうか
  • 職場の人とうまくやっていけるだろうか
  • 同期はどんな人たちだろう
  • この会社で成長できるのだろうか

選考中には頻繁に連絡があったのに、承諾後に情報が届かなくなれば、入社後を具体的に想像できないままになるかもしれません。連絡の多さだけが重要なのではなく、学生が知りたい情報を、必要な時期に伝えられているかがポイントです。

2-3. 選考中に感じた魅力と、内定後の体験にズレがある

採用サイトや説明会では「若手の挑戦を応援する会社」と紹介していたのに、内定後に接した社員からはその実感が得られなかった。面接で聞いた仕事の内容と、入社前に知った実際の業務に違いがあった。
こうした「選考中に伝わった会社の姿」と「実際に触れた会社の姿」のズレは、学生の迷いを生む一因になり得ます。

採用活動では会社の魅力を分かりやすく伝えることが大切ですが、良い面だけを強調しすぎると、後でギャップが生まれることもあります。仕事のやりがいや成長機会だけでなく、大変さや必要な努力も含め、誠実に伝えることが重要です。

2-4. 保護者や友人の意見によって迷いが生まれる

進路の選択では、保護者や友人など周囲の意見が影響することもあります。マイナビの調査で、企業が把握している辞退理由のうち「保護者からの反対」は1.9%でしたが、この数字には表れにくい影響もあると考えられます。

例えば、学生が家族に会社の事業や働き方をうまく説明できない場合、周囲からの質問をきっかけに迷いが生まれるかもしれません。学生自身が自分の言葉で説明できるよう、正確で分かりやすい情報を用意しておくことも役立ちます。

3. 内定者フォローは、「イベント」ではなく「コミュニケーション設計」

マイナビの調査では、「効果があった内定辞退対策」として、次の取り組みが挙げられています(2026年卒の調査。前年の内々定者に対して実施した施策の結果)。

施策効果があったと回答した企業の割合
内定者懇親会(食事会等)59.6%
社員との座談会23.8%
内々定式22.8%
社内見学・工場見学21.4%
先輩との面談20.3%
定期的なメール連絡19.8%

上位には、懇親会や座談会、先輩との面談など、社員や同期と直接関われる辞退防止策が並んでいます。(なお、これらは企業側が「効果があった」と感じた割合であり、各施策によって辞退率が何ポイント下がったかを示すものではありません。)

こうした施策を実施する際に大切なのは、それぞれの目的を明確にすることです。

  • 内定者は今、何を不安に感じているのか
  • この接点を通じて、何を理解してほしいのか
  • 誰から伝えると、その情報が具体的に伝わるのか
  • 終了後、どんな疑問が残っているかをどう確かめるのか

例えば、同期との交流が目的なら内定者同士が話しやすい場を、仕事への理解を深めることが目的なら若手社員の体験談を聞ける場を設計します。

懇親会や座談会は、開催すること自体が目的ではありません。内定者の不安や関心に合わせて、どのような情報や体験を届けるのかを考え、一つひとつの接点を設計することが重要です。

4. 承諾後のコミュニケーションを設計する5つのステップ

オフィスで和やかに話す社員たち

具体的な施策を決める前に、まずはコミュニケーションの目的と流れを整理しましょう。

ステップ1:内定者の不安や期待を把握する

最初に、内定者が自社の何に魅力を感じ、どのような疑問や不安を抱いているかを知ることが大切です。

  • 自社のどのような点に魅力を感じたか
  • 入社後の仕事について、まだ分からないことは何か
  • 働く環境や人間関係で気になることはあるか
  • 入社までにどのような情報を知りたいか

選考中の対話で把握できた内容があれば、本人の意向や情報の扱いに配慮しながら、フォロー担当者へ適切に引き継ぎます。承諾直後に面談を設ける場合も、回答を迫るのではなく率直に話せる場にすることが重要です。

ステップ2:入社までに目指す状態を明確にする

不安や期待を把握したら、次に、入社までに内定者に何を理解してもらい、どんな不安を解消したいかを整理します。目指す状態が明確になれば、そのために必要な情報や施策を考えやすくなります。

例えば、

  • 自社の事業や仕事の魅力を理解し、入社する理由に納得している
  • 実際の仕事内容や働く環境を具体的に想像できる
  • 相談できる社員や同期とのつながりがある
  • 入社に必要な準備が分かり、初日を安心して迎えられる

といった状態です。

目指す状態を明確にすることで、施策の数ではなく、内定者にとって必要な情報や体験を提供できているかという視点で、フォローの内容を考えられるようになります。

ステップ3:伝えるべき情報を整理する

内定者が知りたい情報と、企業が伝えたい魅力を整理します。

内定者の疑問・不安伝える情報適した伝え方の例
どんな仕事をするのか具体的な業務内容、1年目の仕事先輩社員の話、社員インタビュー
職場になじめるか社員の人柄、チームの雰囲気座談会、職場見学
成長できるか挑戦や成長の実例、研修制度若手社員のストーリー、研修案内
入社準備は何が必要か配属・研修の予定、必要な手続き個別連絡、準備ガイド
自社を選ぶ理由を再確認したい会社の強み、方向性、仕事の意義採用ピッチ資料(※)、事業・ビジョン紹介

ここでは、会社の良い面を並べるだけでは不十分です。仕事の大変さも含めて、誠実に伝えることが大切です。また、配属や研修など現時点で決まっていない事項は、分かっていることと未定のことを分けて伝えると、学生も安心して入社を迎えられます。

※事業内容や会社の魅力を整理した採用ピッチ資料は、承諾後に見返してもらうツールとしても活用できます。

👇採用ピッチ資料について、こちらの記事で紹介しています。

ステップ4:伝える時期と方法を設計する

入社までの期間を見通し、それぞれの時期に適切な接点を組み合わせます。

時期主に意識したいこと施策の例
承諾直後感謝を伝え、疑問を聞ける関係をつくる歓迎メッセージ、人事面談、案内資料
内定式前後社員や同期を知り、会社を身近に感じる懇親会、座談会、社内見学
年末〜年明け仕事内容や働き方への理解を深める若手社員との面談、仕事紹介、職場見学
入社直前手続きや初日の不安を減らす研修・配属に関する案内、準備ガイド

「毎年同じ施策を繰り返す」のではなく、その時期の学生の疑問に合う方法を選ぶことが重要です。

例えば、入社後の仕事内容に不安がある内定者には、年齢の近い先輩や同じ職種の社員と話す機会を設けることで、具体的な仕事内容だけでなく、入社当初に感じた不安や、それをどう乗り越えたかを知ってもらうことができます。

また、社員に会える場では、参加社員に採用コンセプトや当日の目的を共有しておくと、話の軸をそろえやすくなります。一方で、社員には実際の経験を自分の言葉で語ってもらうことも大切です。

学生によっては、大人数の懇親会より個別面談の方が話しやすい場合もあります。卒業論文や授業などの負担にも配慮し、必要以上に参加を求めないようにしましょう。

👇座談会の運営方法については、こちらの記事でも紹介しています。

ステップ5:反応を確かめ、必要に応じて改善する

施策を実施したら終わりではありません。面談や簡単なアンケートなどで、内定者の疑問や不安に変化があったかを確認します。

  • 仕事のイメージは具体的になったか
  • まだ分からないことは何か
  • どの情報や体験が役立ったか
  • 次に何を知りたいか

確認した内容を次回の接点に反映することで、毎年同じイベントを繰り返すだけのフォローから、内定者の状況に合わせた取り組みへと改善できます。アンケートや面談は、学生を評価・拘束するためではなく、より良い情報提供につなげるために行いましょう。

5. 内定者フォローで気をつけたいこと

①接点の回数だけを増やさない

内定辞退への不安から、連絡やイベントを増やしすぎると、学生の負担になることがあります。卒業論文や授業、アルバイトなどにも配慮し、接点の多さよりも、必要な情報を得られたか、話してよかったと思えるかを大切にしましょう。

②他社の選考辞退を迫らない

他社の選考辞退を求めたり、承諾を急かしたりする行為は、いわゆる「オワハラ(就活終われハラスメント)」として問題視されています。内定者フォローは学生を囲い込むためではなく、学生が自分で判断できる材料を提供するために行うべきです。

③担当者による対応のばらつきを抑える

現場の社員や特定の人事担当者に任せきりにすると、伝える内容や対応の質に差が生まれることがあります。「誰が、いつ、何を伝えるか」を共有すると同時に、一人ひとりの不安や関心を適切に引き継げる仕組みを整えましょう。

④保護者にも説明しやすい情報を用意する

必要に応じて、事業内容、働き方、教育制度、福利厚生などを家族にも見せやすい資料にまとめておく方法があります。企業から保護者へ直接働きかけることを前提にするのではなく、学生自身が自分の選択を説明し、確信を深められる情報を用意することが大切です。

⑤辞退理由を今後の改善に生かす

マイナビの調査では、辞退理由を「学生に確認していない」企業が6.1%ありました。辞退が発生した場合には、本人の意思を尊重し、答えられる範囲で理由を聞くことで、説明内容やフォロー方法の改善に生かせます。無理に引き留めたり、理由の回答を強制したりしないことが前提です。

6. 採用ブランディングの視点で、入社への納得感を高める

握手する男女のイラスト

内定辞退を防ぐための取り組みは、内定承諾後だけで完結するものではありません。選考中から伝えてきた企業の魅力と、承諾後に学生が実際に触れる姿がつながっていることが大切です。

そのために役立つのが、採用ブランディングの視点です。

自社が学生に提供できる価値は何か、他社と比べたときの自社らしさはどこにあるのか、入社後にどんな仕事や成長機会があるのか。こうした企業の魅力を整理し、採用サイトや説明会、面接などを通じて一貫して伝えていくことが大切です。

ただし、同じ魅力を繰り返し伝えるだけでは十分ではありません。学生との関係が深まるにつれて、必要となる情報も変わっていきます。選考段階では企業への興味や関心を高め、内定承諾後は入社への納得感を深め、入社直前には働くことへの期待を育てていく。それぞれの段階に合わせて、同じ企業の魅力でも伝え方を工夫することが重要です。

段階学生に目指してほしい状態コミュニケーションの例
選考段階この会社で働いてみたい事業の魅力、仕事の可能性、社員の挑戦を伝える
承諾直後この会社を選んでよかった志望理由と結びつく経験談や、選択を後押しする情報を伝える
入社直前この会社で働くことが楽しみ仕事内容や社員との関わり、入社後の流れを伝え、働く姿をイメージしてもらう

例えば、「若手から挑戦できる」という魅力を伝える場合、選考段階では若手社員が活躍する姿を見せ、承諾後には本人に近い職種の社員から実際に任された仕事や苦労を聞く機会をつくる、といった設計が考えられます。

大切なのは、学生がその時点で知りたいことと結びつけて、伝わる形に整えることです。

採用ブランディングは、採用サイトや資料を制作するだけではありません。学生との接点を通して、企業への理解と納得感を育てていく考え方でもあります。

👇選考中のコミュニケーションについては、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ

内定承諾後も進路について考え続ける学生がいるなかで、企業には、入社までの期間を通じた丁寧な関係づくりが求められます。

内定者フォローによる辞退防止で大切なのは、懇親会や座談会などのイベントを増やすことではありません。学生の不安や期待を把握し、入社までに目指す状態を考え、必要な情報や体験を、適切な時期と方法で届けることです。

また、選考中に伝えた魅力と、承諾後に触れる会社の姿が一貫していることも欠かせません。企業の情報を一方的に伝えるのではなく、学生が自ら納得して入社先を選べるコミュニケーションを設計していきましょう。

レベルゼロがつくる採用ブランディング

レベルゼロは、企業の「らしさ」を引き出し、受け手の心に響くストーリーを構築することで、採用活動やブランディングの成功を支援します。課題の整理から戦略立案、制作、振り返りまで、一貫したディレクションでアウトプットを提供します。

採用コンセプトの策定から、採用サイト、会社説明会スライド、採用ピッチ資料の制作まで、企業の魅力を整理し、学生との接点に合わせたコミュニケーションを設計します。

「内定者フォローの施策が毎年同じになっている」
「選考中に伝えている魅力と、内定後の体験にズレがある」
「自社ならではの魅力を、学生にどう伝えればよいか分からない」

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひレベルゼロにご相談ください。
選考段階から内定承諾後まで、一貫したコミュニケーションづくりを支援します。

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