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OpenAI「GPT-5.6」ファミリー——競争軸は“賢さ”から“1ドルあたりの賢さ”へ

要点
- OpenAIはモデルファミリー「GPT-5.6」を一般提供開始。フラッグシップのSol、日常業務向けのTerra、最速・最安のLunaの3層構成
- API料金(100万トークンあたり)はSolが入力$5/出力$30、Terraが$2.50/$15、Lunaが$1/$6。7月30日にはLunaを80%、Terraを20%値下げ
- どれだけ考えさせるかを選べる推論レベルに加え、最上位の「ultra」は標準で4つのエージェントを並列に走らせ、難タスクを短時間で処理する
何が発表されたのか
GPT-5.6の発表文で目立つのは、最高性能の主張よりも「1ドルあたりのパフォーマンス」という言葉です。OpenAIは各ベンチマークで、スコアそのものと並べて「より少ないトークンで」「推定コスト何分の1で」という効率を繰り返し強調しています。フロンティアモデルの競争が、賢さの絶対値から、コストあたりの賢さへ移ったことを象徴する発表です。
3層構成にも意図があります。番号(5.6)は世代を示し、Sol・Terra・Lunaはそれぞれ独自のペースで進化する継続的なモデル層と位置づけられました。つまり今後は「最新モデルに乗り換える」のではなく、「用途ごとに層を選び、世代が上がったら同じ層で更新する」という使い方が標準になります。
推論レベルという新しいつまみ
GPT-5.6では、タスクに応じてモデルがどれだけ時間と計算を使うかを段階的に選べます。日常の応答は効率重視の既定設定で、難しい問題には「max」でより深く推論させ、最上位の「ultra」では標準4つのエージェントが並列で作業を分担します。ChatGPTでは有料プランのユーザーがモデル層と推論レベルを選択でき、APIでは並列エージェントを開発者が自前で組める機能もベータ提供されます。
企業利用の文脈では、Responses APIの新機能(ツール連携をモデル内で完結させるProgrammatic Tool Calling)がゼロデータ保持(ZDR)に対応している点も見逃せません。
企業のAI活用にとっての意味
「とりあえず一番良いモデルを全員に」という時代は終わりつつあります。定型業務はLuna、日常業務はTerra、難度の高い分析やコーディングはSol+max、という業務ごとのモデル・推論レベルの使い分けが、そのままAIコストの設計になります。値下げ競争が続くいま、半年前の料金感覚で立てたAI予算はほぼ確実に過大です。自社の業務にどの層で十分なのかを検証する体制——それが次の活用フェーズの分かれ目になります。
どの業務にどのモデルで十分か。ツール選定からコスト設計、社内ルールづくりまで、レベルゼロが伴走します。
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