🔄2026年5月8日更新
この記事の目次
はじめに

「なんとなく良さそうな会社」では、学生に選ばれない時代になっています。
給与、福利厚生、休日数。どの企業も似たような情報が並ぶ中で、学生が最後に比較するのは、“この会社らしさ”です。
そこで重要になるのが、採用コンセプトです。採用コンセプトとは、単なるキャッチコピーではありません。「どんな価値観を持つ会社なのか」「どんな人と働きたいのか」を、一言で伝えるための採用活動の軸です。
採用サイト、説明会、パンフレット、動画、面接。
すべての採用コミュニケーションの中心に、強いコンセプトがある企業は、やはり印象に残ります。
今回は、実際に企業で使われている優れた採用コンセプトを10例紹介しながら、“良い採用コンセプト”に共通するポイントを解説します。
1. 採用コンセプトが重要な理由

今の学生は、単純な知名度だけで企業を選びません。
- この会社は何を大切にしているのか
- どんな人が活躍しているのか
- 自分に合う会社なのか
- 働く意味を感じられるか
といった点を重視しています。
つまり、採用活動には「情報」だけではなく、“世界観”が必要です。採用コンセプトは、その世界観を一言で伝える役割を持っています。
2. 良い採用コンセプトの条件
2-1. その会社にしか言えない
「挑戦」「成長」「未来を創る」
これらは一見良さそうですが、多くの会社に当てはまります。強い採用コンセプトは、“その会社の文化や価値観がにじみ出ている”ことが重要です。
2-2. 学生が自分ごと化できる
企業が言いたいことだけでは、学生の心は動きません。
「自分もこうなりたい」「この会社で働くイメージが湧く」
そんな感情につながる言葉ほど、強い採用コンセプトになります。
2-3. 採用活動全体に展開できる
採用コンセプトは、採用サイトのトップコピーだけでは意味がありません。
- 説明会
- 面接
- パンフレット
- SNS
- 動画
- 社員インタビュー
まで一貫していることで、企業の魅力として定着していきます。
3. いい採用コンセプト10選
(1) Honda
「どうなるかじゃない、どうするかだ」
Hondaらしい挑戦心や主体性が、そのまま言葉になった採用コンセプト。
未来を予測するのではなく、自ら未来を切り拓く。そんな「Hondaらしい挑戦文化」が強く伝わります。企業文化そのものを言語化している点も印象的です。
(2)サントリー
「やってみなはれ」
非常に有名な言葉ですが、今なお色あせない採用コンセプトです。
短い言葉の中に、
- 挑戦
- 自由
- 行動力
- 失敗を恐れない姿勢
まで含まれています。
(3)キーエンス
「期待を、超える。その先にある『付加価値』を世界へ」
キーエンスの「高付加価値主義」を象徴するコピーです。ただモノを売るのではなく、期待を超える価値を生み出す姿勢が伝わります。「何を売る会社か」ではなく、「どう価値を生み出す会社か」を伝えている点が秀逸です。
(4)大和ハウス工業
「考動で夢をかたちに。」
“考えて動く”という、大和ハウスらしい主体性を表したコピー。社員一人ひとりの行動が、社会や暮らしづくりにつながることを伝えています。企業が求める人物像を、一言の価値観に落とし込んだ良い例です。
(5)Sky株式会社
「好動力!」
“行動力”ではなく、“好動力”。好きだからこそ動ける。そんな前向きなエネルギーが伝わる言葉です。短く、覚えやすく、意味に余白があります。
(6)キャリタス
「想いがつどう+(プラス)をうみだす」
人と人、人と企業をつなぎ、“プラスの価値”を生み出すキャリタスらしいコピーです。“想い”を起点に、新しい価値を生み出す姿勢が表現されています。事業内容ではなく、「どんな価値を生み出す会社か」を伝えている点が印象的です。
(7)JR東日本
「その想いが、始発になる。」
「始発」という鉄道会社らしい言葉を使いながら、学生自身の想いを主語にしているのがとても上手です。事業特性と学生視点を両立しています。
(8)ワンキャリア
「『働く』を変えよう」
就活サービスを提供するワンキャリアらしく、「働く」というテーマそのものに向き合った採用コンセプト。単に“自社に来てほしい”ではなく、
- 日本の就職活動
- キャリア選択
- 働く価値観
まで変えていこうという意思が感じられます。また、「働く」という誰にでも関係するテーマを使うことで、学生が自分ごと化しやすい点も秀逸です。事業内容と採用メッセージが一致していると、強いブランドになります。
(9)ソニーグループ
「あなたは、感動の原動力。」
ソニーらしい「感動づくり」を、会社ではなく“あなた”を主語にして伝えているコピー。企業の魅力ではなく、“あなた自身が感動を生み出す存在である”と語っている点が印象的です。
(10)電通
「いま、自分にないものを。まだ、世の中にないものを。」
自分の成長と、世の中への新しい価値づくりを重ねたコピー。“自分の成長”と“世の中への価値創出”を重ねている点が、電通らしいコピーです。
4. 強い採用コンセプトと、弱い採用コンセプトの違い

4-1. 弱い採用コンセプト
- 挑戦しよう
- 成長できる
- 未来を創る
- 若手が活躍
悪くはありません。ただ、“どの会社でも言える”状態になりやすい。
4-2. 強い採用コンセプト
- やってみなはれ
- 考動で夢をかたちに。
- 好動力!
こうした言葉は、その会社の文化や価値観まで想像できます。つまり、“説明”ではなく、“らしさ”がある。
これが強い採用コンセプトの条件です。
5. まとめ
採用コンセプトは、企業の魅力を一言で伝える「採用活動の軸」です。
良い採用コンセプトには、
- その会社らしさがある
- 学生が自分ごと化できる
- 採用活動全体に展開できる
という共通点があります。
大切なのは、“かっこいい言葉”を作ることではありません。企業の文化、価値観、働く人、事業の魅力を深く掘り下げたうえで、「自社にしか言えない言葉」をつくることです。だからこそ、レベルゼロでは“見た目だけの採用コピー”ではなく、企業の価値観やカルチャーまで含めて設計することを大切にしています。
レベルゼロの採用ブランディングとは?
採用活動では、戦略はコンサル会社、クリエイティブは制作会社、運営は自社と、役割が分断されがちです。しかし、それでは採用コンセプトや企業の魅力が、一貫して伝わらなくなることがあります。
レベルゼロでは、戦略立案からクリエイティブ制作、説明会・面接設計までを一貫して支援。ディレクターを中心に、外部の専門家とも連携しながら、サイト・パンフレット・動画・イベントまでボーダレスに設計・制作しています。