🔄2026年5月8日更新
この記事の目次
はじめに
近年、多くの企業がMission・Vision・Values(MVV)の策定に取り組んでいます。
しかし一方で、
- 「MVVをつくったけど浸透しない」
- 「社員が理念を覚えていない」
- 「採用サイトに載っているだけ」
- 「結局、現場の行動が変わらない」
といった悩みを抱える企業も少なくありません。
本当に機能しているMVVは、単なる“かっこいい言葉”ではありません。
社員一人ひとりの意思決定や行動にまで落とし込まれ、組織文化そのものになっています。
特に今、AIの進化や働き方の変化によって、「何をしている会社か」だけでなく、「何のために存在する会社か」が、これまで以上に重要視される時代になっています。
だからこそMVVは、単なる理念ではなく、
- 採用
- 組織づくり
- ブランド形成
- 事業成長
を支える“経営の軸”として求められているのです。
この記事では、日本企業の中でも特に優れたMVVを持つ企業事例を紹介しながら、“理念が浸透している企業”に共通するポイントについて解説します。
1. なぜ今、MVVが重要なのか?

1-1. AI時代だからこそ「存在意義」が問われる
AIやテクノロジーによって、多くの仕事が効率化される時代になりました。その中で企業に求められるのは、「何をつくるか」だけではありません。
- なぜ存在するのか
- どんな社会をつくりたいのか
- 何を大切にしているのか
という“思想”や“価値観”が、企業選びの重要な基準になっています。
1-2. 若手人材は「共感」で会社を選ぶ
現代の学生や若手人材は、給与や待遇だけではなく、
- 社会的意義
- 共感できる価値観
- 働く意味
- 成長実感
などを重視する傾向があります。そのため、MVVは採用ブランディングにおいても重要な役割を担っています。
1-3. MVVは組織の判断軸になる
優れたMVVは、経営陣だけの言葉ではありません。
- 会議
- 1on1
- 採用
- 評価
- 日々の意思決定
の中で自然に使われています。つまりMVVとは、“会社を説明する言葉”ではなく、“会社を動かす言葉”なのです。
2. 優れたMVVの基準とは?

本記事では、以下の基準をもとに企業を選出しています。
2-1. 社会的意義が明確である
その企業が「何のために存在しているか」が伝わるか。
2-2. 行動に落とし込まれている
理念が抽象論で終わらず、日々の行動につながっているか。
2-3. 社員が共感しやすい
現場社員が“自分ごと”として語れるか。
2-4. 実際の成果につながっている
理念がブランド形成・採用・事業成長に結びついているか。
3. 日本企業の優れたMVV15選
(1)トヨタ自動車
- Mission: 幸せを量産する
- Vision:可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える。
- Values:「トヨタウェイ」ソフトとハードを融合し、パートナーとともにトヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す。
『学べるポイント』
トヨタのMVVの強さは、「幸せを量産する」という非常にシンプルで強い思想にあります。
単なる自動車メーカーではなく、“人の移動を通じて社会を豊かにする企業”として再定義している点が特徴です。Woven Cityなどの未来都市構想にも、理念が一貫して反映されています。
出典:トヨタフィロソフィー | 経営理念 | 企業情報 | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト (global.toyota)
(2)ソニー
- Mission: テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する
- Vision:世界の人に感動を提供し続ける
- Values:ー
- Purpose:クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。
『学べるポイント』
ソニーは「技術」ではなく、「感動」を中心に据えている点が特徴です。エンタメ・音楽・ゲーム・映画など多角的事業を持ちながらも、理念によってブランドが統一されています。
出典:ソニー株式会社 | ミッション / ビジョン (sony.co.jp)
(3)ソフトバンクグループ株式会社
- Mission: 情報革命で人々を幸せに
- Vision:「世界に最も必要とされる会社」を目指して
- Values:「No.1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」
『学べるポイント』
ソフトバンクの特徴は、“行動レベル”までValuesが落とし込まれていることです。特に「スピード」や「挑戦」は、企業文化そのものになっています。
(4)サントリーホールディングス株式会社
- Mission:人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命いのちの輝き」をめざす
- Vision:ー
- Values:Growing for Good、やってみなはれ、利益三分主義
- Purpose:人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす。
『学べるポイント』
サントリーは、「やってみなはれ」という短い言葉に企業文化が凝縮されています。シンプルで覚えやすく、社員が行動しやすい理念の好例です。
出典: SUNTORY|グループ企業理念
(5)株式会社リクルートホールディングス
- Mission:まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。
- Vision:Follow Your Heart
- Values:新しい価値の創造 / Wow the World、個の尊重 / Bet on Passion、社会への貢献 / Prioritize Social Value
『学べるポイント』
抽象度が高い言葉ながら、“新しい価値との出会いを生み出す”という思想が全サービスに共通しています。IndeedやSUUMOなど、多様な事業を束ねる強い軸になっています。
出典:リクルートホールディングス|ビジョン・ミッション・バリューズ
(6)株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)
- Mission:服を変え、常識を変え、世界を変えていく
- Vision:ー
- Values:「お客様の立場に立脚」「革新と挑戦・個の尊重」「会社と個人の成長」「正しさへのこだわり」
『学べるポイント』
ユニクロは「良い服を世界へ」という思想を、商品・価格・店舗体験すべてに一貫して落とし込んでいます。理念とビジネスモデルが直結している好例です。
出典:FAST RETAILING|FAST RETAILING WAY(FRグループ企業理念)
(7)楽天グループ
- Mission:イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする
- Vision:グローバル イノベーション カンパニー
- Values・Principles:楽天主義
『学べるポイント』
楽天の特徴は、「エンパワーメント」という考え方がグループ全体の共通言語になっていることです。EC・金融・通信・スポーツなど幅広い事業を展開しながらも、“人々と社会の可能性を広げる”という思想が一貫しています。
(8)LINEヤフー株式会社
- Mission:WOW Our Users!
- Vision:ー
- Values:「スピード10倍」「破壊と創造」「No.1への執念」
『学べるポイント』
LINEヤフーは、「WOW」という価値観を、検索・ニュース・コミュニケーション・決済など、日常に寄り添う多様なサービスに落とし込んでいます。ユーザー体験を起点に理念設計している点が特徴です。
(9)株式会社メルカリ
- Mission:あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる
- Vision:ー
- Values:Go Bold、All for One、Be a Pro、Trust & Openness
『学べるポイント』
メルカリは、Valuesが社内コミュニケーションに深く浸透していることで有名です。採用や評価制度にもValuesが強く反映されています。
出典:メルカリグループのMVV
(10)freee株式会社
- Mission:スモールビジネスを、世界の主役に。
- Vision:だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム
- Values:「マジ価値」「理想ドリブン」「アウトプット→思考」「 Hack Everything」など
『学べるポイント』
freeeは、“誰を幸せにしたいか”が非常に明確です。ターゲットが鮮明なMVVは、社員の意思決定スピードを高めます。
出典:freee株式会社「ミッション」、freee株式会社「ビジョン」
(11)株式会社SmartHR
- Mission:「well-working」労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。
- Vision:ー
- Values:「まずやってみる人がカッコイイ」「人が欲しいものを超えよう」「ためらう時こそ口にしよう」
『学べるポイント』
SmartHRは、働き方そのものを変える思想が事業と直結しています。MVVとプロダクトの一貫性が非常に高い企業です。
出典:株式会社SmartHR「ミッション」、SmartHRの新しいバリューを公開します。
(12)Sansan株式会社
- Mission:出会いからイノベーションを生み出す
- Vision:ビジネスインフラになる
- Values:仕事に向き合い、情熱を注ぐ
『学べるポイント』
Sansanは、「出会い」という抽象的な価値を、営業DX・契約DX・インボイス管理など、ビジネスインフラとして具体的な事業に落とし込んでいます。理念と事業の広がりが自然につながっている好例です。
出典:Sansanのカタチ
(13)株式会社マネーフォワード
- Mission:お金を前へ。人生をもっと前へ。
- Vision:すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。
- Values:「User Focus」「Tech & Design」「Fairness」
『学べるポイント』
マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」という思想を、家計管理・バックオフィス・金融サービスなど幅広い事業に落とし込んでいます。理念がユーザーへの提供価値と事業展開に直結している好例です。
出典:Money Forward Culture Deck – 株式会社マネーフォワード
(14)株式会社ランサーズ
- Mission:個のエンパワーメント
- Vision:人と経済の可能性をテクノロジーで解き放つ
- Values・Purpose:Lancers Way
『学べるポイント』
社会変化に合わせてMVVをアップデートし続けている点が特徴です。“時代に合わせて進化する理念”の好例です。
(15)株式会社オリエンタルランド
- Mission:自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供します。
- Vision:ー
- Values:1.探究と開拓 2.自立と挑戦 3.情熱と実行
『学べるポイント』
ディズニーリゾート全体の体験価値を、理念が支えています。アルバイトを含めた現場浸透力の高さが圧倒的です。
4. MVVが浸透している企業の共通点
4-1. “かっこいい言葉”で終わっていない
優れた企業ほど、理念が具体的な行動に落とし込まれています。
単なるポスターではなく、
- 採用
- 評価
- 会議
- 日常会話
の中で使われています。
4-2. 社員が自分の言葉で語れる
浸透している企業では、経営陣だけではなく、現場社員も理念を自然に語れます。“社員の言葉”になっているかどうかは非常に重要です。
4-3. 事業と理念が一致している
MVVと事業内容にズレがあると、理念は形骸化します。
強い企業ほど、
- 何を目指す会社なのか
- なぜその事業をやるのか
が一貫しています。
5. MVVが浸透しない企業の特徴
5-1. 抽象的すぎる
社員が「結局どう行動すればいいの?」となる理念は浸透しません。
5-2. 経営陣しか理解していない
トップだけが盛り上がっていて、現場に伝わっていないケースは非常に多いです。
5-3. 評価制度と連動していない
理念を掲げながら、評価基準が別になっていると形骸化します。
5-4. “作ること”が目的になっている
MVVは、策定して終わりではありません。本当に重要なのは、“どう使うか”です。
6. MVVは「会社を動かす言葉」

MVVは、つくることがゴールではありません。
本当に重要なのは、その理念が社員の行動に変化を生み、日々の意思決定に影響を与えているかどうかです。どれだけ美しい言葉を掲げても、現場で使われなければ意味はありません。
逆に、社員一人ひとりが理念を自分の言葉で語り、行動に落とし込めている企業は、採用・組織・ブランドのすべてが強くなっていきます。MVVは、“会社を説明する言葉”ではなく、“会社を動かす言葉”なのです。
レベルゼロのブランディング
言語化だけで終わらない、“行動”を生み出すブランディング
レベルゼロでは、MVVの策定だけではなく、その先の“浸透”まで伴走しています。
- 社員が自分ごと化できる理念設計
- 行動につながるValue設計
- 採用・評価・育成との連動
- 社内浸透施策
- ブランドコミュニケーション設計
など、「理念を行動に変える」ための支援を行っています。企業理念やMVVは、単なる言葉ではありません。会社の未来をつくる“軸”です。
MVV策定や理念浸透に課題を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
〈 レベルゼロのMVV設計事例〉
👉 株式会社TSG様
👉 株式会社NEFコミュニケーションズ様
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