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1on1の効果的なやり方、ダメなやり方

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1.はじめに

「1on1ミーティング」は、上司と部下が定期的に対話する時間を設ける仕組みとして、いま多くの企業に導入されています。GoogleやNetflix、メルカリ、サイボウズなどの先進企業が積極的に活用していることもあり、その重要性は広く認識されるようになりました。

しかし、実際に導入してみると、

  • うまく本音を引き出せない
  • 結局いつも同じ話で終わる
  • ただの雑談や業務報告会になってしまう

といった“形骸化”に陥るケースも少なくありません。

本記事では、1on1の本来の意義と設計の考え方を整理しながら、効果的なやり方とNGパターンを具体的に解説します。

2.1on1の目的とは?

1on1は「上司が部下を管理する」ための時間ではありません。むしろ、「部下が安心して本音を話せる」「自分の成長や将来を考える時間」として活用するのが本来の目的です。

主な目的は以下の4つ:

① 信頼関係の構築
心理的安全性を高め、日常のコミュニケーションの質を向上させる。

② 成長支援とキャリア開発
部下の将来像や目指したいキャリアに寄り添い、伴走する。

③ 業務改善・課題の早期発見
日報や定例会議では拾えない小さな課題や悩みを早めにキャッチ。

④ 離職リスクの低減とエンゲージメント向上
「ちゃんと見てもらえている」「理解してくれている」と感じてもらうことが定着率アップに直結。

3.効果的な1on1のやり方

3-1.アジェンダは部下と一緒に作る

事前に「何を話したいか」を共有し、1on1の目的や内容を明確にします。
アジェンダ例:

  • 最近モヤモヤしたこと
  • 業務でやりがいを感じた場面
  • 自分がもっと活躍できそうな領域
  • スキルアップで関心がある分野 など

ポイントは、「上司が決める」のではなく、「部下の話したいこと」を引き出す姿勢。

3-2. 傾聴スキルを活かす

効果的な1on1において、上司の“聴く力”が重要です。

  • 相手の話をさえぎらず、しっかり受け止める
  • 言葉の裏にある感情や意図をくみ取る
  • 「なぜそう感じた?」と優しく深掘る

沈黙の時間も怖がらず、「話しやすい空気づくり」に集中しましょう。

3-3.評価ではなく、支援と伴走

1on1の時間に、評価や指摘をしてしまうと、部下は防御モードに入ってしまいます。

  • NG:「それはあなたの努力不足だよ」
  • OK:「何があればもっとやりやすくなると思う?」

「どうすればよくなるか」を一緒に考えるスタンスを持つことが大切です。

3-4. 感情に寄り添う質問を投げかける

表面的な事実や結果だけでなく、「感情」に目を向けた対話を心がけましょう。
例:

  • 「そのとき、どんな気持ちだった?」
  • 「最近、エネルギーが上がる瞬間っていつ?」

感情の共有は、信頼を育む最大のツールです。

3-5.次につながるアクションを設計する

その場で話して終わりにせず、次につながる“約束”や“問い”を残しておくと、連続性のある1on1になります。

4.ダメな1on1のありがちなパターン

4-1.業務報告で終わる

「今週何した?」「どこまで進んだ?」といった報告会になると、1on1の意味がありません。
進捗確認は他の手段(チャット、定例会)で済ませましょう。

4-2.上司がずっと話してしまう

経験談やアドバイスが悪いわけではありませんが、「聞かれてないのに話す」は逆効果。
“1on1は部下の時間”という原則を忘れずに。

4-3.毎回テーマが決まっていない

「今日もとりあえず何か話すか」とフワッと始まり、フワッと終わる。これでは成長も信頼も生まれません。

4-4.その場しのぎの姿勢

「とりあえず形式的にやっておく」という態度は、必ず相手に伝わります。
部下の本音は引き出せず、むしろ逆効果になることも。

4-5. メモを残さない・次回に活かさない

せっかく本音で話しても、次回また同じ話をしてしまったら信頼関係にヒビが入ります。
記録と継続性は、1on1成功のカギです。

5.よりよい1on1にするための運営設計

5-1.実施頻度と時間の目安

  • 頻度:2週間に1回 or 月1回が理想
  • 時間:30分〜45分程度が話しやすい

継続性と定期性が重要です。「たまに実施」では意味がありません。

5-2.記録とフィードバックの活用

  • 毎回簡単な議事録を残す
  • 振り返りシートを共有する
  • 次回の話題を事前に準備する

記録があることで、部下の変化や成長に気づきやすくなります。

5-3.面談マニュアルや質問テンプレートを共有

マネージャー間での1on1スキルのばらつきをなくすために、社内でナレッジ共有をするとより制度として根づきます。

6.まとめ

1on1は、上司と部下の信頼を深め、エンゲージメントやパフォーマンスを高めるための強力な仕組みです。しかし、やり方を間違えると逆効果にもなりかねません。

効果的な1on1のための要点を再確認:

  • 部下主導の対話を意識する
  • 評価ではなく成長支援
  • 感情と未来に焦点を当てる
  • 継続性と記録を大切にする

「忙しいから」と流してしまわずに、本音と成長の時間としての1on1をぜひ設計し直してみてください。それが、上司・部下双方にとって実りある関係づくりの第一歩になるはずです。

7.レベルゼロの組織活性

組織の“らしさ”を起点に、働く人の意欲と共感を引き出す

レベルゼロの組織活性化支援

レベルゼロの組織活性は、単なる「研修」や「制度設計」では終わりません。
私たちは、組織そのものが“らしく”あること、そしてそこに属する人々がその「らしさ」に共感できる状態を目指します。

組織活性の鍵は、“自分ごと化”にある
「理念が浸透しない」「新しい制度が機能しない」「組織に一体感がない」
——そんな声の背景には、「言葉と行動が結びついていない」状態があります。

レベルゼロでは、対話を通じて組織の本質を掘り下げ、企業らしい言葉を再定義し、具体的な行動・制度・仕組みに落とし込みます。
だからこそ、社員一人ひとりが“自分ごと”として組織を捉え始め、意欲が自然と引き出されていきます。

コンサルで終わらない、“浸透と実行”のデザイン
私たちの強みは、「つくって終わり」ではなく「どう広げ、どう続けるか」まで見据えた設計です。
・MVV(Mission/Vision/Value)の再設計
・浸透のためのワークショップ設計とファシリテーション
・言葉と制度をつなげるガイドラインやツール制作
・組織内プロジェクトの伴走支援

こうしたアクションを、現場に寄り添う形で伴走します。

一体感のある、しなやかな組織へ
制度でもなく、仕組みでもなく、「人」が組織を動かす。
レベルゼロの組織活性は、社員一人ひとりが「組織の一部としてどう在りたいか」を考え、動き始める文化を育てます。

〈 レベルゼロが提供する組織活性策とは?〉
https://levelzero.co.jp/service/organizational-activation/